大弥奔帝國記録室

創作作品『単身神風』『金平糖』のキャラクター、世界観をまとめたサイトです

【世界観】フリーリ・ドール

概要

フリーリ・ドールとは 天上区に所在する区営企業が開発・管理及び販売をしている 精神面におけるケア 不妊治療等を主目的とした人造人間である

運営・管理について

購入する場合には身分証明書のコピーを提出する必要がある
現在(2500年前後)においては医師の診察がなくとも購入する事が出来る

規定の書類(性格や癖などに反映される)を記入し コピー元となる遺伝子データ(髪の毛や皮膚などの一部)を添付する方法と 企業の用意したデフォルトの素体をカスタマイズする方法がある
フリーリ・ドールには人権と類する権利があり 無闇に傷付ける事 殺害する事等は法律で禁止されている また 罪に問われる場合は「器物損壊」あるいは「動物愛護法違反」となる(刑の重い方が適用される)

チップ

フリーリ・ドールには左肩部分に 脳みそと連携して動作するチップが埋め込まれており これにより 例え本体に不具合が生じた場合においても 同等のデータを持つ新規の個体を造ることが可能

チップを埋め込まれた部分には「麻の葉」の印があり これをみだりに傷付けると法律で罰せられる

また チップを取り扱うのは有資格者のみが可能とし 資格を有しない者が意図的に摘出・破壊・設置した場合 本体の同意の有無に関わらず罰せられる

フリーリ・ドールは法律上では27条4項「愛護動物」2号「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」とされる

工場出荷状態のチップには「設定された年齢相当の平均的な所作や知識」と「ユーザーが設定した初期データ」のみがインプットされており またその二つのデータが脳に同期された状態となっている

フリーリ・ドールは 特殊なケースに収められ発送される このケースから発信される極微弱な電波命令がチップに送信されることにより 入っている間は人間で言うところの「眠っている」状態での出荷となる

このケースの内部は酸素量や湿度 温度が適切に保たれており 開いた時点で睡眠状態が解除される仕組みになっている 一度開封したケースでも 別売りのカートリッジを交換すれば再利用が可能なため 返品 交換 処分時に使用することが可能

配送時に事故等があり初期不良が見られた場合や死着の場合の返品交換は無料

返品 交換 処分となったフリーリ・ドールのうち 個人情報となりうる遺伝子情報が組み込まれた個体を除く全ての個体は 然るべき検査の後 一定の水準を満たした物のみ再利用される

その際 脳及びチップ内に保存されたデータは個人情報に係る部分のみ削除される

リサイクル品の個体の販売は原則 発売元と正規代理店契約を結んだ店舗にのみ許可される

フリーリ・ドールの権利について

フリーリ・ドールは自我を持つ一種の生き物でありロボットではないため ユーザーが設定しない限りは 人間に危害を加え ユーザーの命令に逆らい 自己を傷付ける権利を持つ
また フリーリ・ドールが犯罪を行った場合は人間と同様に罰せられる
ユーザー あるいはそれに準ずる者がフリーリ・ドールであることを理由に犯罪等の教唆を行い それを実行した場合 通常 人間にそれら教唆を行うのと同等の刑罰の他 当該ユーザーに対して 企業はフリーリ・ドールの作成 及び利用その他を制限する権利を持つ
チップからのデータは各地域に設置された電波塔へ常時送信され 企業保有のサーバーへ保存される 電波の送受信が出来ない環境下では送信・受信共に行われないが 一時ファイルとして蓄積され 次回接続時に自動的に送受信される また 一定の期間が経過しても通信が不可能であった場合 一時ファイルは古い情報から順に自動消去される
尚 脳はチップの有無に関わらず人間と同様に機能しているため 一時ファイルが消去された場合でも記憶がなくなるものではない
フリーリ・ドール一体あたりが所有するサーバー容量は サポート期間を補って余る程度である

サーバーへ保存された記憶の場合も同様に古い情報から順に削除されるが 保存日時の他 企業保有のプログラムによりファジーに重要度が振り分けられ 重要度の低いものを優先的に削除する
しかし あくまでもプログラムによる機械的な振り分けのため 必ずしも重要度の高いデータに高い重要度が設定されるものではなく また 重要度の低いデータに低い重要度が設定される訳でもない

報告されている具体的な例として「ある日の思い出の夜景」を 「生活している上で視界に入るが記憶していない視覚情報」と混同し削除された 等がある
個別に取り付けられた 脳の働きにより サーバー側でデータが消去された場合でも 通常の人間と同様に記憶しているため 直ちに記憶に与える影響は少ない
然し 脳へ記憶されたデータの内 内容に大きな相違がないものについては サーバーへ保存される際に 先述したプログラムにより自動的に統合される場合があり 記憶の混同が起こる場合がある また 脳が使用不可能となった際には サーバーへ保存されたデータのみ残る形となるため 混同された記憶 消去された記憶について 二度と正しい記憶を思い出すことはない
例外として ユーザーあるいはユーザーからの委任状を有する者にのみ フリーリ・ドールを処分する権利がある